今年も年末が差し迫ってきましたね。
1年を振り返り、自分や家族を見つめなおす時期ではありますが、ファイナンシャルプランナーとしましては、お金の振り返りが大事ですので、この時期にアナウンスをさせていただきます。
前回のライフプランに引き続き、今回は証券口座の確認をしてみます。
■課税口座の損益通算
まずは、課税口座の損益通算が必要かを確認してみましょう。
今年1年間に、特定口座で売却損が出ている場合、確定申告をした方がお得になるケースがあります。
多くの方が、非課税のNISA口座、および課税される特定口座(源泉徴収あり)を使っていると思います。
特定口座の場合、株式や投資信託の売却や配当により利益が出た場合、利益が出たタイミングで証券会社が課税額を計算して徴収してくれます。そのため、利益が出たことに対して確定申告の必要はありません。
一方、売却時に損失が出た場合、証券会社が年間での利益額と損失額を相殺して、年末に利益が出た分の課税額を相殺(損益通算)してくれます。そのため、1年間の範囲内で利益と損失が出た場合も、確定申告しなくても大丈夫です。
しかし、この損益通算は、異なる証券会社間の損益通算はしてくれません。複数の証券口座で取引をしている場合や、会社の持株会等の売買で発生した損益は、証券会社側で損益通算できないので、ご自身で確定申告をして損益通算をする必要があります。
また、損益通算の結果、損失のほうが大きかった場合、確定申告をすることにより、損失分を翌年以降に最大3年間繰り越しをすることができます。これにより、翌年以降に得られた利益についても損益通算の対象となるので、確定申告をしておくとよいでしょう。(下図参照)

参考:特定口座(源泉徴収あり)での配当等の受入れ | 三菱UFJ eスマート証券(旧社名:auカブコム証券)
この損益通算制度を利用して、含み損のある株や投資信託を保有している場合、「損出し」を検討してもよいと思います。
年内取引最終営業日までに含み損の資産を売却して損益通算をすることで、納める税額を少なくすることができます。時間をかけて保有を続けていても、回復の見込みがない資産は見切りをつけて、損切りしてしまった方がよいケースもあるので、検討してみてはいかがでしょう。
■NISA口座の乗り換え検討
一度開設したNISA口座ですが、手数料が高い、使い勝手が悪い、クレカ積立やポイント制度が自分が普段使っているものと合わないなど、さまざまな理由で乗り換えたいと思うことがあると思います。
しかし、一度開設したNISA口座は1年間に1回でも取引がある場合、その年に金融機関の変更はできません。言い換えると翌年になると変更ができるので、年末のタイミングで検討してみてはいかがでしょうか。
NISA口座の金融機関変更は、変更したい年の前年10月1日から行えます。手続きには2週間以上かかることが想定されるので、手続き完了前に年を越してしまい、変更前の金融機関で翌年分の取引を行わないように注意しましょう。
なお、NISA口座の乗り換えは注意点があります。それは、変更前のNISA口座の資産を、変更後のNISA口座へ移管できないという点です。
ただし、管理する口座数は増えますが、変更前のNISA口座の資産を売却せず、そのまま運用益非課税で保有を続けることは可能です。管理する口座数が増えるのが大変という方は、変更前のNISA口座の資産を売却し、変更後のNISA口座であらためて購入しましょう。
■NISA口座の年間投資枠の確認
NISAの年間投資枠は、つみたて投資枠が120万円、成長投資枠が240万円です。資産に余裕がないかぎり、この投資枠を使い切ることは難しいですが、もし投資枠が余っていて無理のない範囲で増資ができるなら検討をしてみましょう。
また、NISA口座の非課税保有限度額(1800万円)は、一度使用した非課税枠を保有資産の売却によって再利用できる仕組みになっています。この再利用ができるようになるのが翌年1月1日のため、年末のタイミングで保有資産の売却を検討することもよいと思います。現在、NISA口座で保有している株式などで、今後保有し続けても利益が出る見込みがなさそうな株などは、売却をすることで、NISAの非課税保有限度額を広げることにもつながります。
今年一年の締めくくりとして、ご自身の投資状況について年間の確認をするヒントになるかと思いますので、ご検討してみてはいかがでしょうか。


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