2026年が始まりました。今年もよろしくお願いします。
2026年最初のコラムですが、今回はニック・マジューリ著の「Just Keep Buying」という本を紹介したいと思います。
この本のすごいところは、「Just Keep Buying」(=ひたすら買い続ける)というシンプルな内容なのですが、理論的な説明はわきに置いておき、ひたすら実践的なルールを紹介している点です。本書の最後の方に「21の黄金ルール」というのが記載されているのですが、誰でも実践できるルールが具体的なデータに裏付けられて紹介されています。
まずは、ルールに従って行動してみたうえで、ルールに従うだけでは限界をむかえた段階で初めて次のステップを考えてみる。その、最初のルールを身に着けたり、見直したりするうえで、最良の投資哲学書だと思います。
では、具体的にどのような内容かというと、いくつか挙げるとしたら以下のような内容になります。
- 複利やドルコスト平均法の重要性
大きなリターンは「時間」が生み出すもの。少額から始めても「複利」の効果で資産は雪だるま式に増えていくことや、ドルコスト平均法で時間的分散をはかる方が安定することを過去の株式市場のリターンから説明しています。若いうちから少額でも投資をし続け「時間」を味方につけてひたすら買い続けるというルールです。
特に、短期的な市場予測は難しいので、このルールを改めて実践してみることで、心理的なバイアスからも解放してくれます。 - 貯蓄や投資へのバランス
まずは、節約よりも収入アップを目指すこと。お金がない時は無理をせず、収入が増えても急激に生活水準をあげず、収入がアップしたらアップした分の50%以上を貯蓄や投資に回す。贅沢品を買うときは同額を投資にも回す「2倍ルール」で支出に対する冷静さを持つ。といったルールです。
過度な節約でストレスを溜めない一方、収入アップによって貯蓄率をあげること、支出の際は幸福感が得られるな支出をして罪悪感をなくすこと、などを実例を挙げて説明しています。 - なぜ投資すべきなのか
本書に直接は書いておらず、あくまで個人的な感想なのですが、「なぜ投資をすべきなのか」を考えさせられる内容になっていると思います。21の黄金ルールの1つに「リタイアで大切なのはお金だけではない」というルールがあります。「どうすればリタイアできるか」ではなく「リタイアして何をしたいか」ですね。
本書では投資する理由として、「老後資金のため」、「インフレから資産を守るため」、「人的資本(労働による収入)から金融資本(投資による収入)への置き換るため」という点を挙げています。でも、投資をしないと老後資金が枯渇するかというとそうでもなく、年金受給者は年金と貯蓄の切り崩しである程度の生活はできているのですよね。なので、投資は老後資金やインフレへの直接的な対策という意味もあるのですが、老後の資金枯渇やインフレへの「不安をなくす」という意味も大きいと思います。
その意味で、この書籍は「不安をなくす」ための心理的バイアスとの付き合い方や感情のコントロールができるよう、21の黄金ルールを実践することで、不安定な感情から解き放してくれる内容がいたるところで盛り込まれています。
最終目標は「充実した人生をおくれること」であり、あくまでお金はそれを実現するためのツールである。ということですね。
いかがでしたでしょうか。
なお、ニック・マジューリ氏は、昨年「Just Keep Buying」の続編である「THE WEALTH LADDER」を出版しています。(私はまだ読んでいません。)
「Just Keep Buying」は具体的なルールや戦術が書かれていますが、「THE WEALTH LADDER」は一歩俯瞰した戦略書のようなものだとの事です。日本的に言うと、「守破離」の守(=ルール)が「Just Keep Buying」で、そのルールを脇に置き変化する環境に適応する方法を見つける「破」が「THE WEALTH LADDER」であるとのことです。
私も時間を見て読んでみたいと思いますが、もし気になる方はこちらも一読してみてはいかがでしょうか。

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