親子上場解消の流れについて

金融資産運用

たまには金融事情のことも書いておこうと思いまして、今日は「親子上場解消」について記載してみようと思います。

 

親子上場とは、親会社とその子会社がともに株式を上場していることですが、ここ数年、この親子上場が解消される動きが目立ってきています。

先日も、NTTが上場子会社の株式をTOB(株式公開買付け)により全株式を取得して、完全子会社化を目指すとの報道発表がありました。この時、公開買付け額にプレミアムを上乗せすると表明したので一気に買収される側の株価があがり、「次に狙うべき親子上場解消はどこか?」などというネット記事も出たりしていました。

 

親子上場は、元々、子会社側も独自に資金調達ができるなど子会社側にもメリットがある反面、親会社が子会社の株式の半数以上を保有しているため、少数株主の意見が反映されないなどの問題点が指摘されていました。東京証券取引所も2025年2月に「親子上場等に関する投資者の目線」というレポートを公表したこともあり、各企業がこの問題点の解消に努めてきているという背景がありそうです。

 

親子上場解消などを目的として、企業がTOBにて公開買付けを行う場合、一般的にその時点の市場価格にプレミアムを上乗せするため、TOBで買付けられる株を保有していると一瞬にして株価が跳ね上がるという可能性を秘めています。なので、もし親子上場している企業の子会社側の株式を持っていたら、今後、親子上場が解消されて株価があがる可能性があるので、なるべく売らずに持っておいた方がいいかもしれませんね。

ただし、親子上場を解消する手段としては、TOB以外にも株式交換(子会社の株式を親会社の株式と交換する方法)など他の手段もあるので、全ての親子上場企業の株価が跳ね上がるというわけではありませんのでご注意ください。

 

株式市場ではM&Aによる企業買収や、今回ご紹介した親子上場解消の流れなど、さまざまな動きがありますが、個別企業の動向はわからずとも、経済新聞などから得られる情報から株式市場の傾向をおさえて、売買の判断をしていくといいかもしれませんね。

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