ポートフォリオ構成検討における、米国以外への投資方法について

金融資産運用

今日は投資をするうえでのポートフォリオ検討のうち、地域分散投資(主に米国以外への投資)について考えてみましょう。

以前、分散投資のメリットをご説明した際に、地域分散を考えるとよいとご説明しました。これは、日本国内の株式や債券、不動産投資だけでなく、日本以外の先進国や、新興国も含めた分散投資をするとリスク分散が狙えるというものでした。
しかし、いわゆる”オルカン”と呼ばれている”MSCI All Country World Index”を見ると、約60%が米国株式となっており、全世界への分散投資といいつつも米国市場に投資先が偏っているのが懸念でした。これは、投資対象先の企業を時価総額でみているために、どうしても時価総額が大きい米国市場の企業が多く含まれてしまうためです。

 

では、米国以外にも明示的に投資をする場合、どのような商品があるか調べてみると、例えばバンガード社などは”米国を除く”世界市場をターゲットにしたETFなどをいくつか出しています。アメリカの人からすると、米国株式だけでなく、米国以外の地域にも分散投資をしたいというニーズがあり、それに応えるために明示的に”米国を除く”商品をラインナップにそろえている形です。

具体的には、以下のようなETFがあります。

  • VXUS バンガード・トータル・インターナショナル・ストック(除く米国)ETF
  • VEA バンガード・FTSE先進国市場(除く米国)ETF
  • VGK バンガード・FTSE・ヨーロッパ ETF

各ETFの市場構成をみると、下からVGKは欧州を対象としたETFのため、英国、スイス、フランス、ドイツ、オランダ、スウェーデンといった国々が含まれています。
また、VEAは、上記の欧州を対象としたVGKに加えて、先進国の日本、カナダ、オーストラリア、韓国などが含まれます。
さらに、VXUSは、上記の先進国対象のVEAに加えて、新興国の中国や台湾などが含まれます。

いずれにしても、米国市場は含まれないETFとなっています。

 

では、例えば、米国市場を対象とした投資信託(S&P500やダウ平均などに連動した投資信託)をお持ちであれば、

  • 米国市場の投資信託(S&P500など)+VXUS(米国を除く全世界)
  • 米国市場の投資信託(S&P500など)+VEA(米国を除く先進国)+新興国対象の投資信託
  • 米国市場の投資信託(S&P500など)+VGK(欧州市場)+日本(日経平均など)+新興国対象の投資信託

といった形で、各地域別に分散投資ができるポートフォリオを作ることができます。

それにより、例えば、米国40% + 欧州と日本が各25% + 新興国が10% などと、自分自身で検討した構成比率とすることも可能になります。これまで、米国株一辺倒でしたが、別の地域に投資対象を分散したい方はご検討ください。

 

なお、VEAを買うだけのファンドである「SBI・V・先進国株式(除く米国)インデックス・ファンド」や、VXUSを購入する「楽天・全世界株式(除く米国)インデックス・ファンド」などといいった投資信託が出ています。こちらは、NISAの成長投資枠やつみたて投資枠で購入ができるのでご検討してみてはいかがでしょうか。

 

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