トマ・ピケティの「r>g」から考える「投資」の必要性

金融資産運用

今日は少し難しい話をしてみます。

フランスの経済学者のトマ・ピケティは、2013年に出版した自身の著書「21世紀の資本」で、「 r > g 」という法則を提唱しました。
ピケティによると、歴史的に見て資本収益率(r)は平均して4~5%で推移してきたのに対し、経済成長率(g)は1~2%にとどまっており、この差が時間の経過とともに複利効果によって拡大し、富の集中を加速させ、資本を持つ者と持たない者との格差が拡大する。そして、この格差拡大が資本主義においては「正常な状態」だということです。
要するに、資本を持つ人は労働せずとも資本からの収益(r)で富を増やし続け、労働のみに依存する人は経済成長率(g)以上に所得を増やすことは難しい。ということです。

では、資本を持たない者はどうしようもないのでしょうか。
ピケティも著書の中で、「 r > g 」の状態が続くと社会の二極化が加速し、社会の格差拡大がもたらす悪影響を改善するため、累進課税の強化などの政策的な提言をしています。しかし、政策的な解決を待っていても、実現されなければ資産を持つ人との格差は縮まらないので、各個人レベルでも、単に勤勉に働くだけではなく「資産形成」も真剣に考えていく必要があります。

 

ピケティの「 r > g 」法則によれば、労働者は資産家より多くの収入を得ることは絶対にできません。しかし、「一生をお金に不自由なくある程度の生活ができる」レベルの収入を得ることができればそれで充分です。そのためにも、労働収入だけでなく、資本収益率(r)の恩恵も受けることが大切です。

  • まずは、個人レベルで金融リテラシーを向上させ、長期的な資産形成の視点を持ちましょう。
  • そのうえで、「貯蓄」に偏っている資産について、自身が取りえるリスクを考慮して「投資」にも分配していきましょう。
  • そのためには、若年層からの長期投資で複利効果を得ること、分散投資をしてリスクを低減すること、定期的な投資で時間的分散もすることを考えて投資をしてみましょう。

 

最後に、この記事は労働自体を否定しているわけではありません。生活をするうえで労働収入は無くてはならないものです。また、働くことにより得られる喜びは、資本収入だけでは得られないものでもあります。
また、ピケティの主張を逆張りして「投資」のみが正解ということを主張しているわけでもありません。あくまでピケティは資本主義による格差拡大の危惧と、累進課税などの政策的アプローチを提言しており、資本を持つ者の側になることが勝者であることを言っているわけではありません。
「お金に不自由なく生活できる」レベルを目指して、労働収入とあわせて「 r > g 」による恩恵を受けることも考えてみましょう。

 

コメント